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デンマーク映画をご覧になったことがありますか? 
世界的にはあまり知られていないかもしれない小さな国の映画ですが、これが結構いいんです。 
ハリウッドのように派手なスターはあまりいないけれど、どの俳優さんもみなプロフェッショナル、職人といった感じでなかなか見ごたえがあります。 

その世界を少しでもお伝えしようと、2001年の本ホームページ開設以来初めて新コーナーを作っちゃいました!本コーナーでは私おでんが見たデンマーク映画をご紹介いたします。コメント欄にはストーリ紹介や感想などを私の好き勝手に書いてます(ネタバレもあるかもしれません。ご了承を)。掲載順も「だいたい私が見た順」という勝手な並び方です。それだけじゃーあまりに自分勝手なので、監督、俳優などのデータもあわせてご紹介いたします。参考になれば幸いです。
今後、新たに映画を見るたびに順次追加していく予定です。

日本ではなかなか手に入りにくいかもしれませんが、皆さんもデンマーク映画をぜひお試しあれ!


2005年11月・おでん

* 掲載データは、オリジナルタイトル、監督、公開年、英語のタイトル又は日本で公開されたものは邦題(私の分かる範囲で)、出演者、役名(カッコ内)などです。正確をきすよう努力していますが、内容の保証はいたしかねます。間違えはご指摘いただければ幸いです。日本語タイトルなどご存知の場合もぜひ教えてくださいませ。

Adams æbler

Anders Thomas Jensen, 2005

Adam's apples
Nicolas Bro (Gunnar), Ali Kazim (Khalid), Mads Mikkelsen (Ivan), Paprika Steen (Sarah), Ulrich Thomsen Roller (Adam)

ネオナチストのアダムは牧師イヴァンの教会で12週間の社会奉仕活動をさせられることに。いい人でいい志を持っているのだけどちょっとおかしなイヴァン。実は彼にはつらい過去があった。アダムはイヴァンにとことん邪悪な心で接する。神の救いはあるのか?

・・と書くとシリアスな映画のようですが、デンマークらしいブラックユーモア満載。社会奉仕をさせられている他の面々もからめて話は進んでいく。ガソリンスタンドで強盗して社会奉仕中の移民役、Ali Kazimがよかった。彼はこの役で確かテレビ局Zuluの助演男優賞をとった。デンマークでは大変評価の高かった映画。(2006年4月鑑賞)



A History of Violence 

David Cronenberg, 2005

ヒストリー・オブ・バイオレンス

Viggo Mortensen (Tom Stall), Maria Bello (Edie Stall), Ed Harris (Carl Fogarty), William Hurt (Richie Cusack), Ashton Holmes (Jack Stall) 

アメリカ映画ではありますが、主演のヴィゴ・モーテンセンがデンマーク系なのでここでご紹介。主人公トムはアメリカの田舎町で小さなレストラン(カフェ?)を経営する善良そのものに見える男。妻と二人の子どもと静かな生活を送っている。事件に巻き込まれ、期せずしてヒーロー祭り上げられてしまったトム。そして封じたはずの過去が・・・。
今ちょうど日本で順次公開中(2006年5月時点)。

主演のヴィゴ・モーテンセンは、『ロード・オブ・ザ・リング』のアラゴルン役で有名。私はアラゴルン役でViggoを知ったが、後に『G.I.ジェーン』でデミ・ムーアをとことんしごく鬼教官役を見たときには、あまりの違いに愕然とした。『オーバー・ザ・ムーン』もよかった。いろんな顔を持つ俳優。お父さんはデンマーク人で、デンマークに住む親戚との交流も深い。若い頃に数年間、トラック運転手としてデンマークで働いたことも。

2003年6月、Viggoの写真の展覧会(写真集や詩集も出してる多才な人なのだ)がオーデンセで行われた時、おでんは幸運にもViggoが出席する初日レセプションのチケットを入手。サインをしてもらってお話もしたのだ。流れで日本人だけどオーデンセに住んでると言うと興味を持ってくれた様で、紙に漢字もどきの字(?)を書いて、「これであってる?」とデンマーク語で聞かれた。いかにもスターみたいなオーラーをふりまくのではなく、自然体で素敵な人。デンマークのテレビに出演するときは、少しなまったデンマーク語でぼそぼそ話すので、なんだか妙に親近感が持てるのだ。(2006年4月鑑賞)



Solkongen

Tomas Villum Jensen, 2005

The Sun King
Nikolaj Lie Kaas (Tommy), Birthe Neumann (Susse), Niels Olsen (Ole Finland), Thomas Bo Larsen (Flemming Kok), Peter Gantzler (Johannes), Jens Okking (Tommy's father)

トミーは30歳にもなって親の家のガレージに住むちょっと、いや、かなりダサ目の男。人付き合いが苦手で自己開発のコースに通う。女性とももちろん付き合ったことはない。そんなトミーが仕事の出先で日焼けセンター・チェーンを経営する、リッチで、だけど不安定な少女のようなところのある未亡人スッセと出会う。29歳の年の差の二人の恋愛コメディー。

トミー役のニコライ・リー・コースは、いい男も演じるが、この映画ではホントにかっこ悪い(笑)。さすが。29歳とはすごい年の差だけど、ちゃーんとあり得そうに見えてくるから不思議。この映画はスベンボーという町で撮影されている。オーデンセのあるフュン島の南はしの町。私の夫の祖父母が住む町なので私も行くことがあり、その意味でも親しみが持てる。セットはあまり使わず、実際の家や建物を使って撮影されたそうだ。ちなみに、デンマーク人は日焼けが好きなので(彼らに言わせると焼けてない色白な肌は「退屈」な色なのだ)、日焼けセンターは実際あちこちにある。(2005年10月鑑賞)



Rembrandt

Jannik Johansen, 2003

Stealing Rembrandt
Lars Brygmann (Mick), Jakob Cedergren (Tom), Nikolaj Coster-Waldau (Kenneth), Nicolas Bro (Jimmy), Sonja Richter (Trine), Søren Pilmark (Bæk), Paprika Steen (Charlotte), Ulf Pilgaard (Flemming)

ちゃちな泥棒が専門の父と息子。・・のはずが、ちょっとした勘違いから超大物を盗んでしまった。簡単に盗んだはいいが、世間を騒がすこんな品、どうやって処理すりゃいいのか分からない。そこから始まるすったもんだ。デンマークの小さな美術館にある国内唯一のレンブラント絵画が盗まれたという実際の事件をもとに作られた映画。親子の絆、男女の絆、友情。Nikolaj Lie Kaasもチョイ役で登場。あやしい日本人も登場します。

DVDには、実際の事件のドキュメンタリー番組がおまけで付いていて、映画と実際の比較が出来て、さらに楽しめた。本物の泥棒さんまでもがモザイクもなしでインタビューに参加してるところがいかにもデンマークらしいかも。戻ってきたレンブラントが置いてある美術館には、寄付のお陰で今ではちゃんとしたセキュリティー・システムがついているらしい。よかった、よかった。(2005年10月鑑賞)



Brødre 

Susanne Bier, 2004

Brothers
Connie Nielsen (Sarah), Ulrich Thomsen (Michael), Nikolaj Lie Kaas (Jannik)

兄のミケルは両親の自慢の息子。一方の弟ヤニックは、ムショから出てきたばかり。ミケルは妻サラと二人の娘と共に幸せな生活を送っていたが、軍人である彼は、アフガニスタンに派遣され、そこで過激勢力の襲撃にあい行方不明に。夫の生死も分からず不安な日々を送る妻サラを支えたのは、厄介者だったはずの弟、ヤニックだった。ミケルはその頃、アフガニスタンで人質にされ、過酷な生活を送っていた。やっと救出され、家族のもとに戻ったミケルだったが・・・。

サラ役を演じるのは、グラディエーターのルッシラ役などハリウッドで活躍するデンマーク人、コニー・ニールセン。監督は、『幸せな孤独(Elsker dig for evigt)』のスサンネ・ビアー。高い評価を得ているこの映画、役者はいいが、私にはストーリーに納得いかない部分も。(2005年7月鑑賞)



Kongekabale

Nikolaj Arcel, 2004

King's game
Anders W.Berthelsen (Ulrik Torp) , Søren Pilmark (Erik Dreier), Nastja Arcel (Lone Kjeldsen), Nicolas Bro, Lars Mikkelsen

若きジャーナリストのウルリックは、国会の担当記者になる。そこで見た権力争いの闇の世界。主人公は、『幸せになるためのイタリア語講座』や『ミフネ』でおなじみのAnders W.Berthelsen。

デンマークの政治といえばクリーンなイメージがあるが、やっぱり政治は政治。ダーティーな面もちゃんとあるんだなぁと、ヘンな感心をしてしまった。もちろんフィクションなのだが。スキャンダルが明るみに出て党首にはなりそこねるが、後にEU議会の選挙にでるなんて(結局政界に生き残ってるわけだ)、いかにもありそうだ。(2005年7月鑑賞) 



Inkasso

Lasse Spang Olsen, 2004

Sharks
Kim Bodnia (Claus), Iben Hjejle (Laura), Allan Olsen (Kaje), Ole Ernst (Holger), René Dif (Omar)

ラウラはいい会社に勤め、素敵な恋人とリッチなアパートに同棲している。仕事も恋も、何もかも順調!・・・に見えるのだが、実は重度のギャンブル依存症。借金まみれ。今までなんとか隠してきたが、だんだんそうも行かなくなる。やってきたのは借金取りのクラウス。むちゃな方法で金を作ろうとするラウラ。かなりのハチャメチャぶりだが憎めない。クラウスには、金をためてボクシングジムを開くという夢がある。

ラウラに騙される可哀相なボクサー・オマー役で、元アクアのRené Difも出演。アクアといえば、世界的ヒットを飛ばしたデンマークのバンド。日本でも一時大人気だった。アクアが解散した直後、俳優になるため勉強すると言っていたRené。ホントに俳優になったんだね。オリジナルタイトルのinkassoは借金取立てという意味。(2005年7月鑑賞)



Elsker dig for evigt

Susanne Bier, 2002

しあわせな孤独

Sonja Richter (Cecilie), Nikolaj Lie Kaas (Joachim), Mads Mikkelsen (Niels), Paprika Steen (Marie)

セシリエとヨーキムは婚約中の若いカップル。幸せいっぱいで、二人なら何もかもうまくいきそうな、そんな時を過ごしている。マリーエとニールスは中年にさしかかろうとする夫婦。三人の娘とこちらもそれなりに幸せな生活を送っている。全く接点など無かったはずのこの4人の男女が、ある事故をきっかけに交わることに・・・。

ヨーキムはほとんどベッドで寝てるだけなんだけど、よかった。新しい恋愛に突っ走っていく、そんなところは(実際離婚率も高い)デンマーク人らしいかも。 



Humørkortstativsælgerens Søn

Peter Bay, 2002

The man who couldn't say no
Thomas Bo Larsen(Rasmus), Hella Joof(Bolette), Anette Støvelbæk(Emilie), Niels Olsen(Jack Høst)

オリジナルタイトルはやたら長い。訳すと、『グリーティングカード陳列棚セールスマンの息子』とでもなるだろうか。主人公のラスムスは、グリーティングカード陳列用のスタンドを売る父を持つ。特別ストーリと関係は無いんだけど、なんとなく彼らしさが出ている言葉だ。英語タイトルは『ノーと言えなかった男』。日本で流行のフレーズにも似ているが、これも彼らしい。主人公のラスムスは、気が弱くて優柔不断な優しい男なのだ。

個性的なキャラがそろう。小説がかけない小説家の主人ジャックがビールしか飲ませないためにアル中になってしまったカメレオンのカマも。はたして、みんなに幸せは訪れるのか!?(2005年3月鑑賞)



De Grønne Slagtere

Anders Thomas Jensen, 2003

フレッシュ・デリ

The green butchers
Nikolaj Lie Kaas (Bjarne/Eigil), Mads Mikkelsen (Svend), Line Kruse (Astrid), Ole Thestrup (Holger)

肉屋で働くビヤーネとスヴェンは、いけすかない雇用主ホルガーのもとを飛び出し、二人で新しい店を始めることに。オープンには漕ぎ着けたが、客の出足はかなりイマイチ。ところが、スヴェンが『偶然』作ってしまった、『ちょっと変わった肉』のマリネが大ヒット。店にはマリネを求める長蛇の列ができるまでになった・・・。ブラックユーモアあふれる作品。

マス・ミケルセンはあの不気味な髪型を自毛でやっている。DVDにはバリカンで頭頂部を剃られる様子が。さすがの俳優根性!?ニコライ・リー・コースは一人二役。 



At klappe med een hånd

Gert Fredholm, 2001

Jens Okking (Svensson), Peter Gantzler(Anders), Ann Eleonora Jørgensen(Helene), Susanne Juhász(Heidi)

 


Mifunes sidste sang

 Søren Kragh-Jacobsen, 1999

ミフネ

Anders W. Berthelsen(Kresten), Iben Hjejle(Liva), Jesper Asholt(Rud), Sofie Gråbøl(Claire)

 


Reconstruction

Christoffer Boe, 2003

恋に落ちる確率

Nikolaj Lie Kaas (Alex), Maria Bonnevie (Simone/Aimée), Krister Henriksson (August Holm), Nicolas Bro (Leo) 

 


Det Forsømte Forår

Peter Schrøder, 1992


 
 

Okay

Jesper W. Nielsen, 2002

Paprika Steen (Nete), Ole Ernst (父), Troels Lyby (Kristian), Nicolaj Kopernikus (Martin), Molly Blixt Egelind (Kathrine)

 
 

Baronessen fra benzintanken

1960

Maria Garland (Alvilda von Rosensteen), Ghita Nørby (Anne von Rosensteen)

 


Riget, Riget II

Lars von Trier, 1994, 1997

キングダム、キングダムII

Ernst Hugo Järegård (Stig Helmer), Kirsten Rolffes (Sigrid Drusse), Holger Juul Hansen (Einar Moesgaard), Søren Pilmark (Jørgen Krogshøj, "Krogen"), Ghita Nørby (Rigmor Mortensen), Jens Okking (Harly Bulder Drusse), Otto Brandenburg (Bulderの仕事仲間), Annevig Schelde Ebbe (Mary), Baard Owe (Palle Bondo), Birgitte Raaberg (Judith Bang), Peter Mygind (Mogens Moesgaard, "Mogge"), Vita Jensen (皿洗い), Morten Rotne Leffers (皿洗い), Udo Kier (Aage Krüger), Ole Gorter Boisen (Christian), Lea Risum Brøgger (Maryの母) , Laura Elisabeth Christensen (Mona) 

映画じゃなくてテレビドラマだけど、この作品だけは外せません!私の一番のお気に入り。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』や『ドックヴィル』などで世界的にも有名なデンマーク人監督ラース・フォン・トリアの作品。役者さんがみんないい味出してるんだ、これが。デンマークが大嫌いなスウェーデン人医師スティー・ヘルマー、オカルト好きのドルーセ夫人、最高!基本的にホラーなのだが、ホラーの枠に収まっていない。笑いどころも満載。人間もよく描かれている。舞台はコペンハーゲンに実在するデンマークで一番権威ある病院、Rigshospitalet。

当初は13話作られる予定だったそうだが、実際に作られたのは、パート1とパート2各4話の計8話のみ。この続きが見てみたいが、続編が作られる可能性はなさそうだ。しかしこの8話で十分に楽しめるし、一応の完結もしている。最近(2005年時点)、スティーヴン・キングの脚本でアメリカ版が製作されたそうだ。オリジナルのおもしろさがちゃんと出ているか、ちょっと心配。でももしかしてアメリカ版なら日本でも手に入りやすいのかしら。そちらから入った方にも、デンマークのオリジナル版はお勧めです!!!(2003年初鑑賞)

後日、テレビでアメリカ版『キングダム・ホスピタル』を見る機会があった。「違う、全然ちがーう!」というのが私の感想。やっぱりラース・フォン・トリア版、おすすめです。 



Blinkende Lygter

Anders Thomas Jensen, 2001

Søren Pilmark (Torkild), Mads Mikkelsen (Arne), Nikolaj Lie Kaas (Stefan), Ulrik Thomsen (Peter), Ole Thestrup (Alfred), Frits Helmuth (Carl), Sofie Gråbøl (Hanne)

 


Italiensk for begyndere

Lone Scherfig, 2000

幸せになるためのイタリア語講座

Anders W. Berthelsen (Andreas), Peter Gantzler (Jørgen Mortensen), Lars Kaalund (Hal-Finn), Ann Eleonora Jørgensen (Karen), Anette Støvelbæk (Olympia), Sara Indrio Jensen (Guilia)

 


Den Eneste Ene

Susanne Bier, 1999

Sidse Babett Knudsen (Sus), Niels Olsen (Niller), Søs Egelind (Lizzie),  Rafael Edholm (Sonny), Paprika Steen (Stella), Sofie Gråbøl Mulle (Lizzieの妹) , Lars Kaalund (Knud), Vanessa Gouri (Mgala) 

私の初デンマーク映画。結婚してデンマークに越してきて、オーデンセの語学学校でデンマーク語を習い始めてしばらくした頃、クラスのみんなと鑑賞した。初めてデンマーク語でデンマークの映画を見てそこそこ理解できたことが嬉しかった。題は『運命の人』とでも訳せるか。同じくSusanne Bier監督の『しあわせな孤独』とは反対の明るいタッチのラブ・ロマンス。これもまたデンマークらしい恋愛物かな。主役のススが可愛い。(2000年鑑賞)


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