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ドラマ「ニコライとユーリエ」- デンマークのテレビドラマ事情


2003.11.26

私のお気に入りテレビドラマ「Nikolaj og Julie (ニコライとユーリエ)」が、今年の国際エミー賞ドラマ部門を受賞した。DRというテレビ局製作のドラマである。DRは去年も「Rejseholdet(英名Unit One)」というドラマで同賞を受賞しており、2年続けての受賞という快挙だ。私もなんだか嬉しい。

「Nikolaj og Julie (ニコライとユーリエ)」は全22回のドラマ。途中に長い休みを挟みながら3つくらいに分けて1年ほどかけて放送された。まず毎週日曜日に8話分放送され、そのあと3ヶ月夏休みが入ってやっと次の6話分を放送するとかいうパターン。シリーズ途中でながーいお休みがあるところがなんだかのんびりしていてデンマークらしいような。毎回楽しみに見ていた私にとっては、早く次がみたくてもどかしかった。日本帰国中にちょうど放送が休みだったのは助かったけど!

ドラマの冒頭部分のあらすじはというと・・・
ニコライは友人とおこしたコマーシャル製作会社勤務で、ユーリエは弁護士。二人は出会ってすぐに恋に落ち、結婚して素敵な家も買って、かわいい女の子にも恵まれて、順風万帆。でも仕事に育児に家事などなど、毎日の生活はなかなか大変。そうこうするうち、ニコライが、昔の恋人と一夜だけの浮気をしてしまった。それを知ったユーリエは大激怒、離婚を申し出る。浮気はしてしまったけど、やっぱり一生一緒にやっていきたい女性はユーリエだと思っているニコライは、必死でユーリエを引きとめようとするが、ユーリエの決意は固い。ついにニコライも現実を認め、二人は別れることとなった。だが別れてはしまっても、幼稚園に通う娘の世話や誕生パーティーなど、二人が接する機会は多い。そうこうする中、二人とも新しい恋人を見つけるが・・・。

(注)青色の部分を読むとドラマの結末が分かってしまいます。知りたくない人は青字の部分をとばして先を読んでね!

ニコライとユーリエはその後、それぞれいろんな人といろんな恋愛をする。ユーリエは新しい恋人との子まで身ごもる。二人とも仕事は忙しく、それぞれ仕事上のトラブルを抱えたり、二人の間の一人娘の子育てに関する争いが生じたりもする。二人とも新しい恋人とそれなりに幸せな関係を築いて、ニコライは結婚寸前、ユーリエは出産直前となる一方、一人娘の親権を法廷で争って二人の仲はこじれていく。しかしそんな中、二人ははたと気づく。やっぱり自分が本当に愛しているのはユーリエ(ニコライ)だったと。結局、最終回で二人はまた結ばれた。最後はとってもハッピーエンドだけど、二人がお互いに対する深い愛情に改めて気付く過程では、新しい恋人など周りにいる人たちを傷つけ悲しませることにもなってしまった。


・・・そういった場面も含め、このドラマでは、二人と、そして二人を囲む脇役たちそれぞれの恋愛や家庭生活、仕事に関するトラブル、それを解決する過程が丁寧に描かれており、恋愛、家庭生活、人生において現代デンマーク人が抱える問題についていろいろと考えさせられる内容になっている。う〜ん、いいドラマだった。

ニュースの中で、「ニコライとユーリエ」の国際エミー賞受賞の知らせ受けて文化大臣が、「アメリカのドラマを輸入するばかりではなく、これからはデンマークでもっと良質なドラマや映画を作っていくべきだ。」と言っていた。まったくその通りだ。確かにデンマークのテレビでは、アメリカのドラマや映画がこれでもか、というくらいたくさん放送されている。DRやTV2などのデンマークの代表的なチャンネルでさえもである。デンマークは人口約500万人の小さな国。テレビを見る人の数も限られている。だから日本のように、大量のドラマや番組を量産できるだけの市場の大きさがないというのも事実。でもやはりテレビという大衆文化を支えるメディアでアメリカ産のものばかり放送していては、大げさかもしれないが、ひいてはデンマークの文化の衰退ということにもなりかねない、と私は思う。

ダンサー・イン・ザ・ダークなどで有名なデンマーク人、ラース・フォン・トリア監督のDRのテレビドラマ「Riget(英名Kingdom)」は、日本のケーブルテレビでも放送されていたらしい。デンマークの市場は小さいが、このように、良質なドラマを作れば海外に輸出することも可能になってくる。だからこれからもっとデンマーク産のドラマが増えるといいな、と思うのであった。そしたら私の楽しみも増えるしね!!



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