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デンマーク語と日本語


2001.3.24

デンマーク語は難しい。なんてったって一番難しいのは発音。Dは、時には英語のtheにも似た発音になるし、Rは、ガラガラうがいでもする時のように喉の奥を鳴らさなきゃいけない。母音の数は、デンマーク語のアルファベットで表記できるものだけで9個。他にも対応するアルファベットがない母音がいくつかある。
文法はというと、英語より難しいけどドイツ語よりは簡単かな、という感じだ。・・・と、ある人が言っていた。私も多分そうだと思う。英語を習ったことのある人にとっては、そんなに突拍子もないものというわけではない。
デンマーク在住10ヶ月の私は、そんなデンマーク語を毎日、語学学校で習っている。いつになったらマトモに話せるのやら、はぁー(ため息)。とはいえ最近は、始めの頃に比べたらずいぶんとましになってきたようではある。
だがしかし、デンマーク人に「デンマーク語はどう?」なんてきかれると、気の弱い私はついつい、「う〜ん、難しいねぇ。」などど答えてしまう。そうすると相手は我が意を得たり、とでも言うように「デンマーク語は、世界の言語の中でも難しい部類に入るって聞いたことがあるよ。」などど言うのである。

さてさて、私の夫はというと、彼は週に一回、日本語を習っている。先生は日本人の女性だ。私も一度、クラスを見学させてもらったのだけど、中高年の人を中心になかなか個性的な人が集まっていた。日本に行ったことがある人はおそらく少数派だ。一度も日本に行ったこともない人達がたどたどしく日本語を話している。すごい!と思った。なんだかちょっと感動しちゃった。
そんなわけで、夫はいわゆる挨拶程度の日本語は話す。妙な抑揚で、「コンニチワ〜、オゲンキデスカァ〜??」ってな具合でなかなかカワユイ。私と結婚してから「いってらっしゃい」「いってきます」「お帰りなさい」「ただいま」も覚えて毎日使っている。でもまだ時々、朝、家を出る時に満面の笑みで「オカエリナサーイ」と言って、私を笑わせてくれる。

夫は日本人と結婚して、日本語教室にも行っているので、他のデンマーク人から「日本語はどう?」と聞かれることがよくある。横でその会話を聞いていると、彼は、「文字は難しい。」てなことを答えている。そうそう、字は難しいよね。何千字もあるもん。この間の夏休みに私の特訓で、ひらがなはマスターしたんだけど、それから使ってないから、それすらまた忘れつつある。
字の話が一通り済んだあと彼は続けて、「でも発音はたいしたことない。」と言う。その時私は聞き流してあげるんだけど、心の中では「ふっ、ミツビシって言えないじゃないのさぁ!」とほくそえむのである。

あるとき彼と車の話をしてる時に発見したんだけど、彼は「三菱」が発音できない。「みちゅびち」になっちゃうのだ。タラちゃん並みだー。日頃デンマーク語の発音で苦しめられている私は、これを発見した時、鬼の首でも取ったような気で、違うー!ミツビシだよ、ミツビシ!!と教えてあげたのだが、やっぱり言えない。ホーホホホホ!かわいいじゃ、あ〜りませんか。
そして、さらなる発見(?)によると、彼にとってはザジズゼゾも難しい。デンマーク語にはあまりない発音なのだ。ひゃーひゃひゃひゃひゃ!(ちなみに動物園zooの発音は、デンマーク語ではソー。濁点がつかない。)日頃のデンマーク語発音コンプレックスのせいで私にとっては余計におもしろかった(性格悪いぞ〜!)。
というわけで最近は、デンマーク人と言葉の話になって、発音の難しいデンマーク語を言わされちゃたりした時には、こっちも逆にデンマーク人に「みつびし」と言わせて一人悦に入っている。
日本語だって、結構難しいのよん!



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